OCT-JM-01
複屈折が計測でき、サンプルを複数の光学的特性を用いて分析することができるため、研究の幅が広がります。
産業への応用をはじめ、創薬・再生医療・生物学の研究に使われる培養組織の評価技術としても 注目されており、幅広い分野での活用が期待されています。
OCT-JM-01の撮像例①
下記は、ヒト指の腹の撮像例です。
数秒スキャンして計測されたJones Matrix 3次元データから、表面画像と複数の断層画像を得ることができます。
細かいシワやキメ、毛穴といった表面形態とその下を走る血管の構造を確認することができました。
断層画像では、表面付近の層構造がはっきりと確認でき、汗腺、血管といった器官も観察できました。
OCT画像で複数の層が見えていますが、複屈折画像も参照すると、いったいどの層からコラーゲンの構造が変わっているのかということがはっきり確認できました。
また、OCT画像でたくさんの穴のような構造(管腔)が見えていますが、血流画像を参照することで、それが血管であるのか、それ以外の器官であるのか考察することができます。
このように、複数の異なる特性から観察することで、個々の画像だけではたどり着けなかった事実に気づくことができ、対象をより正確に分析することが可能になります。
OCT-JM-01の撮像例②
下記は、ヒト前腕内側の撮像例です。
指の腹の表面形態と比較すると、溝の部分(皮溝)と溝で囲まれた部分(皮丘)の並び方が整った、いわゆる「キメの整った」状態ということが分かります。この状態だと光をバランスよく乱反射させて毛穴が目立ちにくいと言われています。
また、指の腹の血管造影と比較すると細い血管が多く、網目状に広がった構造であることがよく分かりました。
断層画像を比較すると、指の腹で見えていた表面の分厚い層が前腕内側では見られませんでした(指の腹の、OCT画像で黒、複屈折画像で赤、偏光均一性で黄緑、で見えていた層)。
指の腹では物をつかんだりするために角質層が非常に厚くなっているのですが、そのようすを実際に観察することができたわけです。
また、指の腹で見られたような大きな管腔は見られず、小さな管腔が多いことが断層画像であらためて確認できました。
このように、部位によって異なる構造を正確に分析することが可能です。
Facebookページ、Twitterにて、新しい撮像例を随時投稿しています。
OCT-JM-01のスペック
横分解能 | 縦分解能 | 画像化深度 | 計測範囲 | A-scanレート | B-scanレート | ボリューム計測時間 |
19 μm | 15 μm (空気中) 11 μm (組織内) | 1.9 mm (サンプルによる) | 6 × 6 × 4 mm3 (横方向は1~12 mm程度選択可能) | 50,000/sec | 80/sec | 6.7 sec |
計測対象や用途に合わせて機能や性能のカスタマイズが可能です。
詳しくは、お問い合わせください。
OCT-JM-01活用事例: 花王株式会社様 ”CT-Skin”
花王株式会社様では、OCT-JM-01で計測されるデータを用いて、独自のアルゴリズムと三次元化技術を応用し、切らずに肌の内部を観察する”CT-Skin”が開発されています。
ニュースリリースのリンクはこちらです。
動画でも紹介されていますように、肌表面の凹凸、コラーゲン、血管、リンパ管を一つの3次元空間にリアルに再現されていました。
また、 血流の変化する様子も紹介されています 。